すべては思いやりから

ビジネスマナーの基本は相手に不快な思いをさせないことだ。法律さえ守っていれば何をしてもいいと考える人はいるが、円滑な人間社会を形成するにはマナーが欠かせない。相手に不快感を与えてしまえば、互いの関係は悪化していき、健全なコミュニケーションができなくなる。それが医療の現場となれば、仕事に影響してくる問題なので無視はできない。看護の質を高めるためには看護師自身のスキルアップに加えて、患者側の協力が欠かせないのだ。ビジネスマナーを意識するときは、形式だけ守っていても不十分である。例えば、どんなに丁寧な言葉遣いでも表情が怒っていれば、相手に思いやりの気持ちは伝わらないからだ。思いやりを持つためには、相手の立場になってみることが大切である。常に自分のことしか考えていない人は、他人に対して思いやりを持つのが難しいのだ。相手を尊重する気持ちがなければ、表情や言動、しぐさに至るまで粗末になってしまう。相手と会話をするときは、自分だけ一方的に話さないように注意しよう。患者のなかには心が不安定になっている人が大勢いる。円滑なコミュニケーションのためには、相手の話を聞くことに重きを置いてみよう。話をしっかりと聞いてもらって嫌な気持ちになる人はまずいないのだ。相手の話を聞くことで、この人は信頼できる看護師だと思ってもらえる可能性が高くなる。会話をするときは敬語を使うのがビジネスマナーの基本であり、タメ口にはならないように注意が必要だ。